2016年度第67回大会 大会特別活動企画の開催について

社会学とクィア・スタディーズの接点―エイズ・アクティビズムを通して考える― (2日目午後)

趣旨

本特別活動企画では,社会学とクィア・スタディーズという一見,距離のある学問領域が,エイズ・アクティビズムを通して,どのように接続されてきたかを今一度考えてみたい。

HIV/AIDSは社会学にとっても,クィア・スタディーズにとっても,重要な論点となってきた問題であり,とりわけアクティビズムやコミュニティのあり方をめぐって,両学問領域では活発な議論が交わされてきた。本企画では,アメリカ合衆国におけるエイズ・アクティビズムとクィア・スタディーズの関係からスタートし,日本(特に関西)において,こうしたアクティビズムがコミュニティといかなる関係を取り結んできたのか,また近年,どのような変化がアクティビズムに見られるのかを考察する。アメリカ合衆国にあっても,日本にあっても,HIV/ AIDSを語る際にはつねにゲイ男性が前景化されてきたが,これまで十分に触れられてこなかった女性にも焦点を当て,HIV/AIDSと,そのジェンダー化の問題についても議論したい。

HIV/AIDSを取り巻くアクティビズム,コミュニティから,社会学とクィア・スタディーズの接点を検証し,学際的研究の重要性を示すのが,本企画の目指すところである。

報告者

・菅野優香(同志社大学)

・新ヶ江章友(大阪市立大学)

・大北全俊(東北大学)

・青山薫(神戸大学)

 

付記:

研究活動委員会特別活動セクシュアリティ/クィア・スタディーズ グループは2013年度より,セクシュアリティやクィア,ジェンダー,身体,アイデンティティなどのトピックをめぐり,セクシュアリティ研究,クィア・スタディーズ,社会学などの領域を横断的に接続し,多様な分野の研究者同士による対話を重ねながら活動を継続してきた。これまでの活動の成果を統括し公開する場として,2016年度学会大会において本特別活動企画を開催する。

                                                        (研究活動委員 赤枝香奈子)