2018年度第69回大会若手企画部会について:〈語り〉に着目した調査研究の課題を考える――〈病いの語り〉研究の検討を通して

研究活動委員会より、2018年度第69回大会若手企画部会について、お知らせします。以下、企画者である志水洋人氏の告知文を転載します。
なお、本案内文の後半は、2017年7月27日(木)に龍谷大学梅田キャンパスで開催予定の研究会の案内も兼ねています。関心のある方は、あわせてご確認下さい。

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次回第69回大会では、以下に紹介する若手企画部会の開催が予定されています。本ページは、当部会の概要をご紹介した後に、当部会に向けた第一回打合せ会合(研究会)のご案内をするものです。

  • テーマ:〈語り〉に着目した調査研究の課題を考える――〈病いの語り〉研究の検討を通して――
  • 趣旨

社会学では、調査対象者の〈語り〉、すなわち、何らかの物語性をもって述懐されるところのものや、述懐するというその行為は、いわゆる質的調査において重要な位置を占めてきた。本企画の報告者らが専攻する医療社会学においても、〈病いの語り〉研究として緩やかに括られる多くの研究が、個人の経験の軌跡を分析単位とするこの視点をもって、医療社会学ひいては社会学一般に対して多大な貢献をしてきた。しかし一方で、こうした研究がしばしば「語りの特権化」(Atkinson 1997)をしているとする批判がある。具体的には、語られたものこそがその個人の「真の」経験を理解するための一段優れたデータとみなされたり、病いに関わる経験が自律的主体としての語り手による意味生成の側面に還元されその行為の社会的文脈が捨象されている、とする指摘である。このような指摘は、質的調査、とくにインタビュー調査に依る研究一般にも一定程度通底するような方法論的課題を提起している。本企画は、先行研究の検討と各々の登壇者の調査経験の報告を通して、上記のような批判がいかにして乗り越えられうるのかについて一定の道筋を示すことを一つの目的としている。(参考文献:Atkinson, P., 1997, “Narrative Turn or Blind Alley?” Qualitative Health Research, 7(3): 325–44.)

  • 企画者:志水洋人・上野彩 (大阪大学人間科学研究科)
  • 報告者:未定(企画者を含む4~5名を予定)
  • 主催:関西社会学会
  • 協賛:医療社会学研究会・医療人文学研究会

大会に先行して、公開の打合せ会合(研究会)を5回開催する予定。 第一回打合せ会合(研究会)のご案内 つきましては、上記の第一回打合せ会合(研究会)を、以下の日時・場所にて、行うこととなりました。

  • 日時:2017年7月27日(木)18:00~21:00
  • 場所:龍谷大学梅田キャンパス(〒530-0001 大阪市北区梅田2-2-2 ヒルトンプラザウェスト オフィスタワー14階)
  • 内容:本企画にあたって企画者が示唆を得た論文の主なものである上記文献(Atkinson 1997)の検討をしつつ、企画者二名が部会の趣旨を報告する。 どなたでも参加可能ですので、ぜひご関心のある方にご参加いただければ幸いです。 第二回以降の研究会については、詳細が確定次第追ってご案内をいたします。