2022年度第73回共催校(大会校)特別企画「社会学を高校生にも2:実践編」について

2021年度の関西社会学会第72回大会シンポジウム「社会学を高校生にも――〈市民〉を育てる実践」では、「社会学の高校生との出会いは何をもたらすか」という問題意識のもと、社会学がもつ可能性の広がりについて検討することを目的とし開催されました。中等教育と大学教育の「あいだ」で、社会学のアクチュアリティを問い、〈社会学の未来/社会の未来〉を展望したいという狙いでした。

具体的には、「高校生に社会学を伝えるためにはどのような工夫をすればよいのか、どのような工夫ができるのか」、「高校生が社会学に出会うとどのようなことが起きるのか、なにが新しく生まれるのか」、「社会学と高校生の出会いを難しくしているものは何か、その困難はどのようにすれば乗り越えられるのか」というような論点を中心に、高校教員からは杉浦真理先生(立命館宇治中学校・高等学校)、片田孫朝日先生(灘中学校・灘高等学校)、大学の社会学研究者からは丹辺宣彦先生(名古屋大学)、好井裕明先生(日本大学)にご報告いただきました。4名の報告の内容とディスカッションの模様は、『フォーラム現代社会学』第21号(近刊)の特集をご覧ください。

高校教員や現役高校生も参加したこのシンポジウムは、社会学教育の新たな試みとして大きな反響がありました。そこで、研究活動委員会では、昨年度のシンポジウムの問題関心を継承し、「社会学を高校生にも2:実践編」を共催校(大会校)特別企画として開催することにしました。

本企画では、大学の社会学研究者が参加した高大連携の営みに焦点を当てます。大阪高等学校、立命館宇治中学校・高等学校、愛知県立岡崎高等学校の3校の生徒の皆さんと担当の高校教員の方々にご報告いただきます。生徒の皆さんには、「問題意識」、「どのような調査を実施したか(する予定か)」、「どのようなことがわかったのか・考えたのか」、「調査を行った感想」などをご報告いただく予定です。また、高校教員の方々には、「どのように社会探究的カリキュラムに取り組んでいるのか」、「カリキュラムの効果や手応え」について、ご報告いただく予定です。そして、3校の指導を行った大学教員の山本晃輔先生(関西国際大学)、小川伸彦先生(奈良女子大学)、丹辺宣彦先生(名古屋大学)にもコメントをいただきます。

高校生の多様でフレッシュな取り組みから刺激を受け、「社会を考えることの興味深さ」を参加者で共有するとともに、「社会学の裾野を広げるために学会は何をできるか」を考える機会になればと考えています。

日時:5月28日(土)15:45~17:15

司会:山本晃輔(関西国際大学)・南畑淳史(関西国際大学)
発表(生徒+教員):大阪高等学校、立命館宇治中学校・高等学校、愛知県立岡崎高等学校
コメンテーター:小川伸彦(奈良女子大学)、丹辺宣彦(名古屋大学)

(研究活動委員長 岡崎宏樹
研究活動理事 都村聞人
共催校(大会校)山本晃輔
共催校(大会校)南畑淳史)