2021年度第72回関西社会学会大会(オンライン開催)のご報告

2021年6月5日(土)~6日(日)、関西社会学会第72回大会は、新型コロナ感染症対策のため、昨年度に続いてオンライン開催されました(開催校:京都産業大学)。大会は、特設サイトで参加申込し、銀行振込/クレジットカード支払で事前に参加費を支払い、Zoom会議室で報告・討論する方式で進めました。参加者は計257名(会員・非会員を含む)。多くのご参加を得ることができました(昨年度は239名)。

一般研究報告はZoom会議室での発表となりました(10部会35報告)。オンラインの各部会では活発な議論が展開し、3名の報告者に奨励賞がおくられることになりました(詳しくは関連記事をご参照ください)。

特別企画「学術誌のエートスとシステム――ソシオロジ200号刊行を記念して」では、学術誌がその理念をどのような運営システムによって実現しようとしているのかを比較し、各誌の有する現代的課題を検討しました。司会は岡崎宏樹(『ソシオロジ』編集代表、神戸学院大学)。報告者は、吉田純さん(前ソシオロジ編集代表、京都大学)、馬渡玲欧さん(元『ソシオロゴス』編集長、日本大学・東海大学)、高橋薫さん(『The Sociological Review』Editorial Manager、工学院大学)。コメンテイターは永井良和さん(『フォーラム現代社会学』編集長)、松谷実のりさん(追手門学院大学)。部会には80名を超えるご参加がありました。

昨年度の新企画「自著を語る~MY FIRST BOOK~」を今年度も引き続き開催しました。水野英莉さん(流通科学大学)、金瑛さん(関西大学)、吉野靫さん(立命館大学)、金春喜さん(京都大学大学院修士課程修了)が司会の石原俊さん(明治学院大学)と「最初の著書」をめぐって語りあい、編集者、参加者を交えて議論を深めました。この部会には40名を超える参加がありました。

招待講演&トークセッション「社会学と人類学の〈境界〉」は、町家学びテラス・西陣(京都産業大学)と岡山を中継でつなぎ、ウェビナーにてライブ配信されました。参加者は約90名。講演者は文化人類学者の松村圭一郎さん(岡山大学)、報告タイトルは「『わたし』をとおして世界を探求する~社会学と人類学の間の藪をつついて蛇をだす~」。対話者は松浦雄介さん(熊本大学)。司会は工藤保則さん(龍谷大学)。町家の温かな雰囲気につつまれながら、人類学の存在論的転回をふまえ、主観性と客観性の関係を再考し、「わたし」から出発して日常世界を問い直すことの意義などを語りあいました。

シンポジウム「社会学を高校生にも―〈市民〉を育てる実践」は、高校の先生と社会学者が、中等教育と大学教育の「あいだ」で社会学のアクチュアリティを問い、〈社会学の未来/社会の未来〉を展望しました。司会は都村聞人さん(神戸学院大学)・伊地知紀子さん(大阪市立大学)。報告者は丹辺宣彦さん(名古屋大学)、片田孫朝日さん(灘中学校・灘高等学校)、杉浦真理さん(立命館宇治中学校高等学校)、好井裕明さん(日本大学)。参加者は約110名。高校関係の方にもご案内したところ、約10名のご参加がありました。学会を高校や市民へと開いていくひとつの契機になったかと思います。

なお、特別企画、自著を語る、シンポジウムについては次号『フォーラム現代社会学』で詳しくご紹介させていただく予定です。

オンライン開催でいろいろとご不便をおかけしましたが、京都産業大学・実行委員会のスタッフをはじめ、たくさんの方々のご支援により無事に大会を終えることができたことを、大変うれしく、有難く思います。

皆様のご協力に心より感謝申し上げます。

研究活動委員長 岡崎宏樹

 

*大会参加費の領収書は、大会特設サイトからPDFファイルでダウンロードできます。大会は終了しましたが、6月20日(日)までサイトを利用可能にします。マイページにて、氏(〇〇大学)、名(関西太郎)と設定すれば、領収書の宛名に大学名を入れることも可能です。なお、大会特設ページは当学会がブランドコンセプト社に委託し構築しました。クレジットカード支払いの場合、大会参加費はいったんブランドコンセプト社に集約されますが、集計後、当学会に払い戻されます。クレジットカード支払の場合、クレジットカードの支払先欄にブランドコンセプト社の記載が入りますが、大会参加費の支払い先は当学会です。

 

—以下は大会関連の告知内容の記録です—

関西社会学会第72回大会に関する情報を、お伝えします(2021年5月6日時点)。

2021年1月11日理事会において,第72回大会は,新型コロナウイルス感染症対策のため,前年度に引き続き,オンライン開催にすることが決まりました。どうかご協力をお願いいたします。

具体的には、以下の通りです。

・2021年度第72回大会 大会プログラム
・2021年度第72回大会 参加者マニュアル
・2021年度第72回大会 参加登録・参加費支払いのご案内
・2021年度第72回大会 オンライン大会開催のガイドライン
・2021年度第72回大会 シンポジウム「社会学を高校生にも――〈市民〉を育てる実践」について
・2021年度第72回大会 高等学校の先生方へ:大会シンポジウムへのご招待について
・2021年度第72回大会 招待講演&トークセッション「社会学と人類学の〈境界〉」について
・2021年度第72回大会 「自著を語る――MY FIRST BOOK」について
・2021年度第72回大会 特別企画「学術誌のエートスとシステム――ソシオロジ200号刊行を記念して」について

2021年度第72回関西社会学会大会について――オンライン開催のお知らせ――
2021年度第72回大会(オンライン開催)のご案内
2021年度第72回大会一般研究報告の申込について
2021年度第72回大会「自著を語る――MY FIRST BOOK」の申込について

*2021年5月12日追記:
関西社会学会第72回大会・参加登録システムについてのお詫びと変更のご連絡

関西社会学会第72回大会の参加登録システムにおいて、「敬称」を「Mr./Ms.//Dr./Prof.」から選択することが必須の設定となっておりましたが、これについて、参加登録をされた方から、不適切とのご指摘をいただきました。配慮が十分ではなく、参加者の方に精神的な苦痛を与えてしまったことを、心よりお詫び申し上げます。
ご連絡を受けて「敬称」を必須項目から外すシステム変更を行いました。しかしすでにシステムが稼働しているので、「敬称」の項目を削除することはできませんでした。誠に申し訳ありません。
この件につきまして、お気づきの点やご意見、ご質問がありましたら、2021kansya<アットマーク>gmail.comまでご連絡いただければ幸いです。
どうかよろしくお願いいたします。

研究活動委員長 岡崎宏樹

*2021年5月6日追記:「大会プログラム」、「参加者マニュアル」「報告者マニュアル」「参加登録・参加費支払いのご案内」「「自著を語る――MY FIRST BOOK」について」を追加しました。また、「シンポジウム「社会学を高校生にも――〈市民〉を育てる実践」について」「招待講演&トークセッション「社会学と人類学の〈境界〉」について」「特別企画「学術誌のエートスとシステム――ソシオロジ200号刊行を記念して」について」を改訂しました。